空の向こう側 ?

ミサキ  2008-11-25投稿
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「柚希ちゃん…」

「あ、ハイ」

「ありがとね…」

雄介のお母さんは、ハンカチを目に当ててあたしに言った。

「何でそんなこと言うんですか…?」

「雄介はね、後数ヵ月しか生きられないのよ…」
「…えっ?だってさっきそんなこと…」

「雄介に知られると、悲しむでしょ?」

―…後数ヵ月しか生きられない…―\r

その言葉を聞いた時、
やっぱり涙があふれた。
嘘だよね?
後数ヵ月なんて
ありえないよね?

…何で言ってくれなかったんだろう。

雄介の体は、もぅ知ってたのに。

雄介はガンと知らなくても、きっと分かってたハズなのに。

自分の体に異変があることなんて、分かってたよね?

気付かなくて、ごめんね。

でもね、きっと分かっててもあたしに言えなかったよね。

悲しむからって
泣くからって
言わなかったよね。

優しすぎるんだよ。

病院を出て、あたしは最初に街を歩いた。

ここのマックで、雄介とあたしと瑠璃と亜矢と桂と亮で喋ったっけ。

ここのアクセサリーショップで、雄介とあたしの名前が入ったペアリングを作ってもらったっけ。

そんなことを考えてるたびに、街の中心にあるクリスマスツリーに着いた。

「そういえば、約束したよね…」

クリスマスの日は、一緒にクリスマスツリーを見に行こうって。

約束、守ろうね。
ここに来ようね。



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