淳と青山で逢ってから、三ヶ月―\r
淳から、連絡が来る事は無かった。自分から連絡しないと決めた以上、私からは連絡出来なかった。
淳の事を、考えなくても済む様に、就職活動に必死になっていた。もうすぐ・・・、季節は夏になろうとしていた。
そんな或る日の夜、麗華から、携帯に電話が有った。ここ二ヶ月程、麗華とも連絡は取っていなかった。
「香里?元気にしてんの?」
電話の向こうの麗華の声は、とても弾んでいた。
「うん、元気だよ。麗華は?元気?」
「うん、元気。あのさぁ、いきなりだけど、最近、淳と逢ってんの?」
淳から、何も聞いていないのだろうか?小学校の時から親友の二人が、ずっと連絡を取り合っていないとは考えにくかった。
「ううん・・・、三ヶ月前に逢ってから、逢って無いかな?電話もしてないし。」
「そう・・・。あのね、今度、六本木のクラブで、淳の働いてるお店の三周年記念のイベントが有るんだって!香里も行くよね?」
麗華は、私の意見なんて聞かずに、有無を言わさず、イベントに行く方向に持って行った。
「うん・・・、でも・・・、私ね、淳と連絡も取ってないし。」
「淳から聞いた。この間、淳と逢ったの、渋谷で。久し振りに飲もうか〜って。で、香里との事、聞いたの。」
やっぱり―\r
親友の二人は、連絡を取り合っていた。淳は、私の事を何て話していたんだろう―気になっていた。
「あっちゃん、何か言ってた?彼女の事も、麗華に前に話したと思うけど、一度、電話で、様子聞いたっきりになってるし。」
淳への気持ちを、直隠しにする様に、麗華に聞いた。
「香里に嫌われたんじゃ無いか?って気にしてた。一方的に、電話切られちゃって、淳から電話し辛いって。あの調子じゃ、まだ、香里の事引き擦ってるよ。聞いてもごまかすけど・・・。彼女は、淳から振ったんだよ?聞いてるでしょ?淳、優しいから彼女を放っておけないんだよ。」
淳から、彼女に別れを告げた―\r
知らなかった。青山で、淳と逢って、三日後の電話で、最後に淳が、何かを言いかけた事が気になった。