「じゃあ行くぞ。」
無邪気に一言言ったかと思うと、消えた。閃光のように…
だが一瞬のうちにまた姿をあらわした。
まわりにいた、部下達が血を吹いて倒れる。
血の雨。
蘇茂に限っては八つ裂き状態だ。
シュウの中で何かが膨らむ。
「この、蘇茂って言うやつ一番あんたが信頼してたんでしょ?
そういうのって、俺嫌いだなぁ〜」
何かが切れた。
シュウは震えながら低い声で叫んだ。
「おのれぇ…よくも部下達を!これで吹っ飛べ!ガキがぁ!!」
トッシュは、全力で投げた。
当たった。
一陣の風と爆風で蹴散らした煙が上がる。
瞬間、ユースケが隣にいた。
「今の君じゃ、当分俺には勝てないよ。出直してきな。雑魚が。」
シュウは、ユースケの殺気で動けなかった。
ユースケはシュウを殺そうとはしなかった。
「君を今殺しちゃったら、あとあとつまんないから。
戦う気力さえ失せちゃったみたいだし。」
そしてユースケは去った。
シュウは、地面に倒れこんだ。
目から熱いものがこみ上げる。
それは頬を伝って地面に弾ける。
悔やんだ。
自分の力のなさと、仲間達の無念に。
目から自然と、熱いものが次々とこぼれ落ちた。