「やりそうじゃろ?女王なら」
リグラはその様子を見て、にやりと笑った。
「ははは…まあ、そうですね…」
ルークは苦笑いを浮かべながら、ぽりぽりと頭を掻いた。
「さ、行動を起こすぞ!」「了解!」
二人はそう言って気合いを入れると、足早に部屋から出て行った。
困りましたね…。
「封印の部屋」で鎖に繋がれているエリクシオンは、小さくため息をついて、闇の輝きを放つ発光体を部屋の中で飛び回らせた。
あの者達で内々に処理されては、折角の素質保持者がその素質を覚醒させる事無く終わってしまう…。
エリクシオンは苛立ったように、自らの刀身からその発光体を次々と発生させ、それらを瞬時に爆発させた。
少々手荒い真似をしなければなりませんね。…けれど、その結果どうなるのか、全く分からない…。
次にエリクシオンは小さな風を発生させて、ロウソクの炎を揺れ動かした。
賭博に等しい行為…下手をすれば、彼を死に追いやってしまうかもしれない…。しかし、彼にとって、これは避けて通ってはいけない事…。
自らに言い聞かせるように呟くと、エリクシオンは覚悟を決めたかのように、刀身から強く闇の輝きを放った。
大仕事…です。