『あたし、聖人と幼なじみで、小さい頃からの聖人を知ってるケド、
アイツ、絶対人を裏切るようなヤツじゃないから大丈夫だよ。
奈央は、聖人を信じていればいいんだよ。ねっっ!!』
ユカの言葉に、かなり励まされた。
そして、
聖人のコトを好きだったユカに、
そのセリフを言わせたあたし自身に対し、
嫌悪感を覚えた。
しっかりしなくちゃっっ。
あたしがこんな風にフラフラしたキモチでいると、
ユカに対しても失礼なんだから。
――と、その時だった――
『木下 奈央。
ちょっと来てもらえる?!』
聞き覚えのある声。
少しハスキーな、その声は、
青山サオリだった。
『は‥‥はいっっ。』
一言返すのがやっとなほどの緊張感に包まれたあたしは、
一瞬のユカの行動に、かなり驚いた。
側で心配そうに見ていたユカが、
何を思ったか、
あたしと青山さんの前に、立ちはだかったんだ。