「…」
こくん。
「いや、理由つっても…てかそれより俺と兎の何が同じ…」
…待てよ…。
襲う…。
動けなくなる…。
助ける…。
ひょっとして…。
「その兎って俺か?」
「はい」
「…」
即答かよ。
「私は…貴方を殺そうとした…」
「え…ああ…」
「意識を失わなければ確実に貴方を殺していた…」
「…まぁ、だろうな」
「なのに貴方は逃げる事も人を呼ぶこともせずに私を助け傷の手当てをし食事も作ってくれた…」
「…」
食事はボロクソ言われましたけどねぇ…。
「最初私を貴方の慰み者にする為に部屋に連れてこられたのかと思いました…」
「なっ、慰み者!?」
何か急に和やかじゃない単語が出てきた!
「でも…貴方をどんなに観察してもそのような悪意や情欲を確認する事は出来ませんでした…」
「そりゃよかった…」
少しでもそんな感情出してたら切り刻まれてたんだろうなぁ。
「…だから理由を確認するために兎の話をしたってことか?」
「…」
こくり。
「…へぇ、成程じゃあ簡単な話だな」
「…?」
「さっきの問題の答えの事だよ。俺はそんなまどろっこしい理由で助けたんじゃないよ。
俺は、助けたいから助けたんだ」
続