エリザベスドール?(14)

ぐうりんぼ  2008-11-29投稿
閲覧数[439] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 ルークのケータイにアースルから珍しく電話が入った。

「降霊儀式は無事に終わったよ。娘は成仏したし、これで一安心だ」

 声の状態から、アースルのホッとした様子が分かる。

 人形騒動には関わりたくはないルークにとって、降霊儀式なんて…今更興味はない。

 が…

 ふと、ジーナの心の内が知りたくなった。

「お嬢さんの様子は、どうでしたか?」


「生きていた時のままだった。随分と穏やかな表情だったしね」

「僕の事は…、何か言ってましたか?」

 ルークにとって、一番知りたい質問である。

 アースルは間を置いて答える。

「やはりあのコは…君に惚れていたよ。今でも愛する気持ちは変わらないって言ってたしね」

「ひたむきだったんですね、お嬢さんって」

「娘にとっては君との出会いが、初恋だったからね」

「生きていた頃は、恋をする機会なんてなかったんですか?」

「生まれつき体が悪かったから、友達さえ出来なかったんだ。ましてや、異性との出会いなんて…娘にとっては夢の又、夢だったよ」

 しみじみと語るアースル。

「すみません、何だか…嫌な質問しちゃって」

「気にしなくてもイイよ。それよりも、娘から惚れられた気分は?」

「複雑な気分です」

「あれだけ大変な目に遭った上に、大切な友達を失ってしまった君だ。
 娘に対しては…激しい怒りで心が一杯だろう」

「正直に言えば。でも…僕を愛してくれた事に関しては、とても感謝しています」

「そう言われると、ホッとするよ」

「霊に好かれたなんて、初めての経験です」

「済まなかった。
 人形を大切にしてくれたのに…、あんな目に遭わせてしまって」

「イイですよ。人形騒動は終わった事だし。
 それよりも、エリザベスは処分しないのですか?」

「警察から連絡有り次第、引き取りに行く予定だよ。ところでルーク…
 エリザベス人形はもう1体ある事を知っていたかね?」

―え!?―\r

 一瞬、ルークはジョージが話したローズマリーの事を思い出した。

「いえ、知りません」

「実は今日、エリザベスとよく似た人形が国立スーツ大学の4号研究棟所に運び込まれたらしい」

「何の為にですか?」

「バラバラになったエリザベスの研究の為だよ。 人形の持ち主から、提供されたそうだ」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ぐうりんぼ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]
ツルツル×脚痩せ
効果抜群↑ソルト


▲ページトップ