「実は今日、エリザベスとよく似た人形が国立スーツ大学の4号研究棟に運び込まれたらしいんだ」
「何の為にですか?」
「バラバラになったエリザベスの研究の為だよ。 人形の持ち主から、提供されたそうだ」
「エリザベスにソックリって、どんな人形なんだろう…」
「名前は確か…ローズマリーって言ってたかな?」
「ええ…」
思わず、自分の耳を疑うルーク。
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国立スーツ大学構内…
ガチャン…
4号研究棟内を巡回中の警備員ランスが部屋の中に入った。
電気を点けて辺りを見回す。
「異常なしっ…と」
電気を消し、部屋を出ようとする。
ランスはふと、バラバラになったエリザベス人形が見たくなり、ケースの方に歩み寄った。
興味深く、中を見る。
今度は近くに置いてあるもう1つのケースの中を見る。
「薄気味悪い人形だ。
娘の誕生日プレゼントには、相応しくねえな」
ランスはそう言って部屋を出た。
再び真っ暗になった倉庫内…
…
…
「ローズマリー…」
どこからともなく聞こえて来る女性の声。
「ローズマリー…」
又しても声が…
すると…
部屋の電灯が薄暗く灯った。
ガラスケースに入っているローズマリーがまばたきを始める。
サッと手を上げたローズマリー。
ケースの扉がゆったりと開いた。
ゆっくりと、出て来るローズマリー。
エリザベスが入っているもう1つのケースに歩み寄った。
「ローズマリー…」
ケースの中のエリザベスが呼んでいる。
ケースの蓋に両手を置き、ローズマリーは中を見る。
「ココよ、エリザベス」
ローズマリーの声に反応するかのように、エリザベスは目を開けた。
口が動く。
「ローズマリー…」
「やっと会えたわね…エリザベス」
「アイタカッタ、ローズマリー」
「私もよ」
「ワタシノカラダ、バラバラ二ナッタ」