眠れぬ夜は君のせい〜25〜

ユーリ  2008-11-29投稿
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自分の家なのに落ち着かない。

『お茶でも入れてくるね。』


キッチンに行こうとした時に佑典が言った。

『俺が入れるで、久美ちゃん座っとき。』


そう言うと佑典はキッチンに立ち、お湯を沸かしてコーヒーの準備を始めた。


『くーの彼、格好いいからびっくりした。』

真紀は続けた。

『キムタクに似てない?くーのタイプってゆうより真紀のタイプ。くー…ちょうだい。』


瞬間、胸の奥がズキンッと響くくらい傷んだ。


『ちょうだいは冗談。』

真紀はそう小声で言った。


『コーヒー出来たよ。』


佑典は3つのマグカップを持ってきた。

『私この赤いのっ。』

真紀は赤いカップを選んだ。


佑典くんと一緒に飲むために買ったマグカップだった。

私は赤、佑典は白だった。


『私は小さいの。』

姪っ子がお土産にくれた小さいマグカップを選んだ。


『久美ちゃん、俺がそれにするやん。こっち来る時缶コーヒーめっちゃ飲んでん。久美ちゃんはこれ。』


そう言うと白いマグカップを渡した。


佑典は優しい。



佑典が入れてくれたコーヒーは今まで飲んだどこのコーヒーより美味しかった。








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