すっかり日は落ち薄暗がりの教室を私達は後にした。
夢乃屋の手前で私は笑って
「今日はありがとう」
「俺こそ」
「ゴメン、大堀…やっぱり自分の気持ちに整理がつくまでは好きでいさせて」
私の笑顔に大堀は呆れて
「好きにして」
「うん…あと」
「あと?」
「3年を大切に、何があっても私達は今まで通りでいようね」
「あぁ」
力強く約束の指切りを大堀も結んでくれた。
こうして3年ぶりの二度目の恋のスタートを私なりにきったのだった。
あれから私達は変わることはない。むしろ前より言いたいこと言い合えている。
望んでいないことはないけど、もし大堀が私を選んでくれるならありのままの私を受け入れて欲しいから。
季節は流れ、もう12月になっていた。
「クリスマス会?」
ぐっちの提案で忘年会を兼ねて、お店を貸し切ってクリスマス会をしようというのだ。
「祐介、こないだの友達もよんだらどうだ?」
ぐっちの提案は心が痛い。大堀は私を見ている。
「声かけてみたら?」
最高の笑顔で返す私。
「わかりました」
ぐっちなんだか張り切っていて楽しそう。
そんなぐっちの顔を見たら私はなんだかどうでもよくなってきていた。
波乱のクリスマスがくる。