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サスケは、海岸に戻る道を歩いていた。
だがサスケは悩んでいた。
なぜなら、考えてみれば、この石が炎のオーブだという
証拠も確信もまったくないのだ。
だがサスケは決心して海岸へ急いで戻った。
使者は疲れていたのか座って待っていた。
「おや、ずいぶん遅かったですね。」
気づいてみると、日がそろそろ落ちそうだ。
海の水面には夕日が揺らいでいる。
サスケはこの、ただの石にしか見えないものを
炎の使者に渡した。
「おお！これです。これでやっと、洞窟の扉が開く。」
「洞窟？そんなもの、この島にはないよ？」
「大丈夫。あなたが知らないのも無理はありませんが・・・」
「で、どこにあるんだその洞窟は？」
「この島の北西の山の中にあります。でも今日は日も落ちて
暗くなりますし、明日にしましょうか？」
「いや。今日行ってみたい。
なんか今日じゃないと駄目な気がする。」
「・・・・・・分かりました。では、目をつぶってください。」
サスケは変な感じがした。
やけに身体がほてって熱いのだ。
体の芯が熱くなってくる。
「目を開けてくれればいいですよ。」
ふっと目を開けると、何か重い感じに襲われた。
なんと鎧を着ているではないか。
サスケは初めて鎧というものを見た。
「これは、炎のオーブがあってこそ真の力を発揮する
鎧です。名はイフリスの鎧と言います。」
「イフリスの鎧かぁ。」
サスケははじめて見た鎧に好奇心を覚えた。
「炎のオーブを持っていれば炎の魔法が使えますよ。」
「まっ、魔法！？そんなものとっくのとうに滅んだんじゃ・・・」
「いいえ。現に私でも簡単なものなら使えますからね。」
「すっすげえ！見せて見せて！」
「・・・しょうがないですねぇ。一回だけですよ。
疲れるんですから。
よーく見ててくださいね。」
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