ずっと

アユ  2008-12-01投稿
閲覧数[297] 良い投票[0] 悪い投票[0]

マイは高卒入社で、今年二十歳になる。
転勤が多い会社で、1年たたないうちに異動が決定していて、他県へ異動した。

マイは、大卒入社で同じ店舗に配属されていた同期に好意を抱いていた。

『ねぇねぇ、マイ達、もうちょっとで異動だね…。』

大卒の彼もまた、異動が決定していた。

「大丈夫だって!不安?」

『うん、誰も知らないし、1人になっちゃうし…。』

「俺やここの店舗のみんながいるよ、だから安心していいんだよ。」

『…うん。』

どんどん2人の異動が近付いてくる。
彼には言えないけど、離れたくないよ…。マイは貴方の側にいたい。

年明け、彼に『映画見に行きましょう!』と誘い、彼の車で1時間ちょっとかけて映画館へ。

半分無理矢理だったのに、どうして一緒に行ってくれたのかな…。
マイは今まで恋をした事が無くて、どうしたらいいか、わからなかった。

彼の車からおりる時、必ずマイの頭を撫でて、「ゆっくり休むんだよ」って言ってくれる。
お店のみんなで野球大会をした時も、スポーツ大会をした時も…。側に行けば、優しく頭をクシャクシャッと撫でてくれた彼の手。

彼の温もりが嬉しかった。

いざ、別れの日の当日。
『……っ!』
「泣かないで!昨日、みんなに言ったでしょ?泣かないって…。」
『ねぇ、また連絡していい?メールも電話もしていい?』
「うん、いつでもしていいよ!」
『いっぱいするかも(笑)』
「やっと笑ったね!…あ、時間だよ!」
『うん…。またね、また会えるよね?』
「会えるよ!」
『…バイバイ!』


マイは、彼に好きだと言わずに異動先へいった。
いつまでも、大好き。
マイは彼と会えて素敵な気持ちに出会えた。


そして、離れ離れになってからまた1年がたとうとしている。
髪が大分伸びた。
だけど、切れない。
唯一、彼がマイに触れた髪だから。

今でも思ってる。
こんなに深く相手を想えるなんて、考えてなかった。

ずっと好き。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 アユ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ