いずみ『アラタ、今は何言っても…。』
病気だと思った。
沢渡えりかは普通じゃなく、神経がおかしくなっている。
アラタ『事実を知った方がコイツの為になるんじゃ…。』
私は首を横に振った。
いずみ『今は事実を話しても、事が悪化するだけだと思う。』
別れを受け入れていないのだから今は何を言っても無駄だ。
沢渡『アラタ、いい加減そのずーずーしい女追い出して!』
アラタは、電話し始めた…。
アラタ『ご無沙汰です。アラタです。
えりかさんがうちへ来てるので迎えに来てもらえますか?』
おそらく、えりかさんのマネージャーだろう。アラタは事情を話して電話を切った。
沢渡えりかは知らんぷりでタバコを吹かしている。
アラタ『お前っ!』
私は怒るアラタを止めた。また首を横に振る。
いずみ『怒ってもきっと無駄だよ。
このまま迎えが来るのを私が待つからアラタは仕事へ向かって。』
アラタ『いずみ一人を置いていけないよ。さっきの言葉聞いただろ?
俺の事は気にしないでいいから。』
沢渡『ねー、飲み物ちょうだい。』
アラタは呆れ顔で
アラタ『何にする?』
沢渡『炭酸系でお願い。』
いずみ『私、帰ります。』
沢渡『まだいたの?』
いずみ『それじゃあ…。』
アラタ『いいよ。ここにいろよ!』
私は焦っているアラタに小声でささやいた。
いずみ『車のキー貸して。
車にいるから。えりかさん帰ったら電話してね!』
アラタ『わかった。すぐ連絡するから必ず鍵かけて車内にいろよ。』
アラタは私を抱きしめた。
それから30分くらいだろうか…
私は後部座席を倒し横になって寝てしまった。
アラタ『いずみ。』
目の前にはアラタがいた。
いずみ『えりかさんは?』
アラタ『マネージャーが連れて帰ったよ。合い鍵はスペアを作って持ってたらしい。
本当に嫌な思いさせてごめんな。』
続く…。 13話No.3