智弘クンは電話にでて話しをしている間に私はジュースを買いに行った。
『智弘クンのはホットコーヒーっとっ』
私は缶コーヒーとココアを買い智弘クンに渡した・・・
しかし智弘クンは少し様子が変わっている。
私は声をかけた
『智弘クン・・・どうかした?』
『んっうん。ちょっと友達が車で事故やっちゃってさっ。あっ。でかい事故じゃないんだけど。だけれどさっ・・・』
『だけど?』
『足を強く打ったみたいでっ、一週間後の舞台までは間に合わないっってぇ。どうしよう。かなりの長セリフで今回の舞台では欠かせない役なんだよ。友達も人探すって言ってたけど。俺も当てないし・・・』
『どんな役なの?男?女?』
『小悪魔の女詐欺師。口で男を騙してお金や高級品を巻き上げる犯人役だよ』
『もしよければ、私がやろうか?』
『ゆりは純粋だから、あんな悪女役はどうかな。』
『智弘!私を見て』
私はYシャツのボタンを一つ開け智弘クンに見せつけこう言った。
『目指してるのは女優よ。お高い女役からホームレス役までなんでもやる!?純粋って勘違いするなら今から、あそこのベンチに座ってる子を一分で逆ナンして落としてみせようか?』
私の目はすでに小悪魔になっていた。
『わかったわかった。お願いだから逆ナンしないでっ。ねっね。機嫌なおしてよ・・・』
私は私を素に戻した。
『うん。智弘クン。私逆ナンなんてした事ないよ。第一恥ずかしいし、例えば演技に入ると、なんでも、出来るよって事だよ。ごめんねっ。あと私怒ってないよ。それも演技だから』
智弘クンに笑顔が戻り、自然と私も笑顔になった。
それから智弘クンの目はまた真剣になりこう言った
『ゆり。一週間後の舞台お願い出来ないかな?』
『・・・喜んで。喜んでやらせて頂きます。』
『ありがとう。。ゆり。手・・・・・・手繋いでもいいかな?』
私は舌を出し、智弘クンに意地悪してみた。
『だめ〜〜』