私は自室のベット横になり天井を見つめていた。父がみせたあの呆れとまるで悲しむかのような表情、そしてあの言葉が思い浮かんでくる。ギブスで固められた左腕に視線を向けた。両目から何か流れるものを感じた。それはしばらく止まらなかった。
「静奈、静奈。」
「瞳・・。」
吉沢 瞳は中学時代、同じ剣道部で共に汗を流したライバルでもあり、親友でもある。
「腕・・大丈夫なの?」
「・・・。」
「それ、マジ?」
私は彼女に全てを話した。「うん、これ以上やったら使い物にならなくなるって。」
「・・・。」
「全く・・、入学早々こうなるとはね。ごめんね、心配かけちゃって。」
「これから・・どうするの?」
「今は治す事に専念しようと思う。とりあえず今はそれしか考えられないわ。」「そう・・。」
「ありがとう、話、聞いてくれて、瞳にはいつも感謝してる。」
「当たり前じゃない、友達でしょ?困ったことがあったら、またいつでも相談に乗るから!ね?」
瞳は笑って私の肩をポンと叩いた。
この時程、いかに親友の存在がありがたいか感じた事はなかった。たが・・私にはまだ知る由もなかった。これから待ち受ける残酷なまでの現実を・・。