奈央と出会えたから。<287>

麻呂  2008-12-02投稿
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ヤ‥ヤキッて‥‥?!



こ‥こわいよ‥‥。


聖人‥‥助けてっっ。



怖くて抵抗するコトも出来なくて、



あたしとユカは、青山さんの後に付いた。



連れていかれた場所は、1階の女子トイレだった。



ここは、普段はあまり利用する人がいないコトから、



よく3年生の先輩達が、煙草を吸ったり、違う目的で利用していた。



思ったとおり、トイレの中は、煙草の煙が充満していて、



あたしは思わずむせ返った。



『成沢ぁ〜。ちょっと出て来いよ。

木下連れて来たんだケドさぁ。』



青山さんが、トイレの個室に向かって言った。



バンッッ――



直ぐに個室のドアが開き、



中から、青山さんと同じ3年生と思われる女のコが出て来た。



背の高さは、ユカと同じ位だと思うけれど、



あたしと同じ位の青山さんと比べると、


やはり頭ひとつ分ほどの差があった。



肩すれすれの長さのベージュ色のボブヘアーに、スレンダーな体型が、



意志の強さを強調していた。



『サオリ、もしかして、そのコ?!

聖人先輩の女って?!』



『あぁ、そうだよ。
ちょうどいいだろ?!コイツら2人に“クサ”さばかせたらサ。』



『マジィ?!

さばかせるのはいいけど、その女、ダセーし。よく聖人先輩の女やってんな。

サオリ、もしかしてギャグじゃねーの?!』



『そう思うだろ?!
あたしも最初はそう思ったんだよ。

でも、マジらしいよ。聖人先輩の女だってのはね。ま、所詮、遊びだとは思うケドさ。』



『ギャハハハハッッ!!ひっでぇ――っっ!!』



青山さんと、その成沢という女の人は、


ヒドい言葉で、あたしを侮辱し始めた。


でも、そんなコトは大して気にならなかった。



聖人とあたしが異色のカップルだなんていう噂は、



陰口という形で、よく耳にしていたから。

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