序章「未来の先は」
自分には何かが足りない
それは何なのかわからない
新しい友達と手を繋ぎ、旧友とは心を通わす
風が気持ちよく流れる懐かしきあの場所へ
足りない所は友が埋め
足りないものを満たすには
存在に問い掛け続け
自分が何の為
誰の為に生きてるか
満たす果ては創世
知る果てには破滅
悟る果てには再生
私の心に残るは架空と虚空に塗れた真実
心とは何なのか
脳の刺激が心臓を奮えさせる
その程度の構造が何故、あのような力を生むのか
不思議だ
心は人間が作った
でも人間は心を理解出来ない
心とは………………
レーベル・ゲイン 著
「我らの可能性」
第二文節
「心の価値、可能性」
今日の朝は
いつもより
清々しい朝だった
昨日読んだ「心の本」の内容がまだ頭に残る
いつもよりちょっと苦めのコーヒーを飲み干し、もたつく足を引っ張ってTVの前に行った。
ドアポストから新聞を取り出し、紳士を気取ったような足の組み方をして、椅子に座った。
TVの研究者のインタビューに耳を傾け、新聞には目を集中。
ふと、ある記事に目がついた
「人形に心を入れる事に成功!?」 なかなか面白い記事だ、嘘にしては内容が………
内容が…嘘とは思えない、可能性は低いとは限らない
でも確かめる価値はある
オーバーコートを引っ張り出し、カバンとカメラ、ナイフを入れてドアを出る
アメリカの冷たい風が肌に打ち付ける
紹介が遅れた。
僕はレム・トレード
よくレントレーって呼ばれる
これから話す事は全部僕が体験した実話だ。
どうかこの話を全て聞いて欲しい
その未来の先は……