あいつの笑顔?

きむち  2008-12-02投稿
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目的地に着くと、先に彼女が待っていた。

「もー、何してんのさぁ。遅すぎだよ。遅すぎ。罰金だかんね(笑)」

「智佳こそ何で、俺より先に着いてんだよ。」

「彗を待たせたら悪いと思って、タクシーで来たのさぁ。文句ある?(笑)」

「いや、別に…ないけど。」

「とりあえず、入ろーよ。」

映画の時間にはまだ、早かったようだ。


「えーと…6時半からかぁ…あと、30分もあるね。ね?ポップコーンとかジュースとか買ってった方がいいんじゃない?」

ポップコーン、ジュースと言えば、映画館での定番だ。

僕は、カウンターに行き、ポップコーンとジュースを二つずつ、注文する。

その時、彼女の携帯が鳴った。

「おいおい、映画館ではマナーモードが常識だぞ(笑)」

「ごめーん。ちょっと待っててね。」

彼女はそそくさと映画館の外に出た。

注文を待つ間、正面のソファに腰を掛けた。

僕は映画好きだが、ここのところ忙しく、見に行く暇すらなかった。

「ここに来たのも久しぶりだな…」

今回、見る映画は僕には不釣り合いな、恋愛ものらしい。僕は感動とか恋愛ものの映画は嫌いだ。

楽しくもないし、面白くもない。だから見ない。

「お客様。お待たせ致しました。」


商品を受け取り、外に出る。しかし、彼女の姿が見当たらない。

とりあえず中で待つ事にした。

映画が始まる5分前になってようやく、戻って来た。

「ごめん、ごめん。長電話しちゃってた(笑)」

僕はそれ以上、追求はしなかった。

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