その時にあのバイクのことを聞いてみた。
「外に止めてあるバイクって?」
「あれは凉人がバイトして買ったんや。それに乗って憧れの人に会いに行ってくるって言って出て行って事故したんや。」
余計なことを聞いてしまった。連れに一番に見せたくて納車されたその日に行こうとしたみたいだった。
その日いろいろ聞いて、夏休みはずっとバイトして金ためてたこと、入学の時、気合い入れていたのは昔の自分にもどりたくないから。
そんなことも全部俺らに言ってくれればよかったのに。
俺自身周りの連れや先輩に助けられてばっかりやのに。
俺らはしばらく泣き続けた。
俺は先輩の言葉を思い出した。
「人は二度死ぬ。一度は命を落としたとき、二度目は人の記憶から消えたとき。」
だから俺らは凉人には二度目を味あわせないためにいつまでも絶対にわすれることはない。
毎年みんな連絡なしで集まるのも、みんな同じ気持ちだからだろう。
また来年な。