「沙織ッ!!」
大和…止めないでよ
「…やめろ」
「やだ…」
「いいからッ!!」
「なんでよッ!!」
「…由愛はそんなこと望んでるか?」
違う…
望んでなんかない…
だけどやらなきゃ
散々文句言われてるんだよ?
涙があふれて
止まらなかった。
ポトッ…
大和が近付く。
あたし惨めだ…
最悪…
ギュッ
…へ?なんで…?
「由愛はきっと、沙織に生きて欲しかったんだよ」
「ふぁっ…ひっく…」
じゃあなんであの時
由愛はあたしよりも
先に逝ったの?
これからも一緒に
生きてゆけるって
ずっとずっと
一緒にいるって
思ってたのに…
由愛…
由愛がいない
世界なんて
いらないよ?
戻ってきてよ。
また皆でバカみたいに
笑おうよ。
ねぇ…由愛…
「…報道陣の皆さん」
大和…?
「自分がこの立場ならどうすんですか?あんたらみたいに何でもかんでも記事にしようって人にはこの気持ち、分かりませんよ」
『…帰るぞ』
あたしは落ちてる石を拾った。
「2度と来るな!!」
ブンッ
『いってえ!』
由愛、ごめんね。
ありがとう。