壱章「サウスタウンの揺らぎ」
僕は今、心を人形に入れる実験を成功したという、真相を確かめる為に、バスでサウスタウンへ向かっている。
思えば、記者としては、最高のネタになるが、すでに取り上げられているネタだ。 だから僕はそれの深い溝を洗い、世間に晒すのだ。
TVで放送され、僕の心の底から興味と緊張が込み上げた
気付いたらバスに乗って、サウスタウンに向かっていた ナイフは一応バッグに入れているだけだ。
サウスタウンが見えてきた。
バスのガソリン臭が鼻につく 紅い色がかかった錆の付いた緑のバスが僕の後ろから通りすぎ、風と砂が舞う。
レーベル・ゲインの本「我らの可能性」の第三文節に、「物質に心を入れる、即ち禁忌を犯す事」と書いてある。 もし本当なら、その研究者達には罰が与えられる。
仮にも、写真はあった
人形が物を持ったり、握手したり、しゃべったりしてる
新聞から写真を切り抜き、バッグに入れてる
少しでも証言が欲しい、少しでも証拠が欲しい サウスタウンに入り、考えていたら、裏の路地から声が聞こえた
喧嘩のようだ
「システムは完全だと貴様は言った筈だ!!」
「残念ながら演算処理が遅れてプロトコルがシステムダウンした、する前に失敗は免れないと俺は言ったが?」
二人の男が何か言い合っている システムやらなんやら………
いや、もしかしたら…と思い、僕は二人を止めた
「監視官を呼ぶぞ!二人とも止めろ!」
二人は急に冷静な顔になる ダボダボな服を着た男は黙ったままだった 「…………。」 もう一人の白衣を来た男が口を開く 「わかった、従おう。」
二人はサウスタウンの事について教えてくれた
「今、サウスタウンでは怪事件が起きてる。」 白衣の男のこの一言に、ピンと来る。
「……怪事件…?」 ダボダボの服の男が口を開く「あぁ、変な物を集める泥棒さ。」
白衣の男が続ける「その泥棒は、抜け落ちた髪の毛、家族の写真、安い服、飲みかけのジュース、食いかけの食べ物とかを盗む泥棒さ。」
「ん………?」 この男、何か引っ掛かる…
「それで、どうして喧嘩していたんだい?」
説明して貰う為に止めたんだ、最後まで聞かなければならないな………。
続く