檸檬哀歌?

なお  2008-12-04投稿
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楽しいパーティーが終わり家に帰るとマンションに明かりがついていた。
「猛…」
猛が帰っているのかもしれない。胸騒ぎがした。

鍵はあいていた。
「ただいま」
なるべく何もなかったかの様に声をかけた。
ビールの空き缶が散乱…
猛は酔っぱらっているのか私の声かけに答えてはくれなかった。

「今日、沙笑の誕生日会だったの」
私は着替えようとピアスを外し、服を脱ごうとしていた。
「別れようか」
「えっ?」
「玲、別れよう」
あまりの突然のことに言葉を失う。
「…」
部屋を出ていこうとした猛の腕を私はとっさに掴み 「嫌…」
猛は優しく私の涙を拭い 「俺も嫌だけど、玲は俺といても辛いだけだ…」
「嫌だ…」
私はただ駄々っ子の様にそういうしかなかった。
今この手を離したら、猛も私もダメになる。
そう思えて仕方なかった。
携帯の着信音が静かな部屋に鳴り響く。
「出なよ」
切ない顔して私に言う猛に私は首をふった。
「玲は玲を一番に考えてくれる人といるべきだよ」
冷静な猛の声。
「…猛は?」
「猛は…一番に考えてはくれないの?」
私の問いかけに目をつぶり「今の俺は無理…」
そう答えて私をまっすぐ見つめて諭す様に私の手を優しく払った。



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