僕はままりんの結婚式に出席した。ままりんの結婚式。その姿を見るのは、ままりんの幸せな姿を見るのは僕への戒め。
ままりんとはもうしない。それを実行するため。
ままりんの結婚式。
ままりんはいつも以上に綺麗で素敵で輝いていた。ドレスがよく似合っていた。
ままりんの夫という人。初めて見た、福島さん…いい人そうでかっこよかった。家庭的そう。僕とはまったく違うタイプ。僕のほうがかっこよくて、スーツがよくにあうのに。ままりんはキリスト教のため式は教会で行われた。ホテルのチャペルとかじゃなく、町の小さな教会で。集まったのはお互いの親族だけ。
「教会だから参列は自由だよ。もしよかったら見に来て」二人の関係に戸惑っているとき、ままりんは僕に言った。
僕の答は「そんな式、いかないよ。だって僕はきみの幸せを素直に喜べないもの」ままりんは笑った。「またそんなこといってー来てくれるんでしょ?」そのとおり。ままりんは僕の本質を理解している。
でも、ままりんは僕になんで来てもらいたかったのだろうか?ままりんももう僕との関係を断ち切りたいのだろうか?
ままりんと福島さんは神父さまの前で誓いの言葉を交わす。ままりんは本気で神に誓ったのだろうか?そして、二人のキス。僕は生まれて初めて自分が心底愛してる人が幸せそうに他の男性とキスしているのを見た。なんで、相手が僕じゃないのか。そう思ったら涙が自然と流れた。泣いているのは僕だけ。泣くくらいならドラマみたいに教会の扉をばっと開けて、その結婚待った!と言えればいいのに。そんな度胸は僕にはない。みんなに見つからないように僕はそっとその場を後にした。
なんだか、うしろから声がした。でも気がつかないふりをして僕は走った。ずーと走った。僕の心はぐしゃぐしゃだった。やっぱり結婚式なんて来なきゃよかった。
もうままりんとは会わない。僕は大きな声で叫んでいた。