うそを重ねていくばかりで、自分と向き合うことがなかった。
学校で彼に会う度に、
「今のあいつは好きじゃない」
なんて強がった。
彼が側に来ただけで、全てのうそが剥がれ落ちる。
好きという気持ちでいっぱいになる。
だけど彼には彼女がいる。
私と付き合う前に付き合ってた子とヨリを戻した。
その子が運命の人かもね。
それでも忘れられなかった。
今まで構ってくれてた彼が、急に机に向かった。
彼の背中に指で書いた。
ありったけの気持ちをこめて。
「すき」
勇気がないから、逆字を書いた。
「なに〜?」
「なんでもない」
ちゃんとかけば伝わったのにね。