「楽な死に方教えてくれ」 あまりに突然のことではあったが説得しないわけにはいかなかった。 説得はした。テレビや本で聞くようなありふれたセリフで、それしかなかった。 「もういいよ」 彼はそう言って私の言葉を遮った。 「今まで辛いことばかりだったんだ。だから、せめて死ぬときぐらい楽に死なせてくれ、一生のお願いだ」 それが本当に彼の一生のお願いになった。
新着小説100作品 恋愛ミステリSFファンタジーホラーエッセイ日記ノンジャンル公募投稿作品アドベンチャー詩・短歌・俳句スポーツコメディ学園物その他管理人用