「…でも、僕はまだこの城から出る事を許されていません。今から行く事は無理ですよ」
その心配はありません。私のターンで砦まで転送できますから。
「え…そんな事が…?」
「ちょっと、ロイ!今からこの城を出るってどういう事よ!?」
ミリスはロイの顔をじと目で覗き込みながら、尋ねた。
「え、わ、いや、その…何か、エリクシオンが『砦の騎士達を守れる可能性があるのはロイ君だ。だからターンでそこまで転送してやる』、って言ってて…」
私、そんな汚い言葉使ってないのに…。ひどいわロイ君…。
「いや、単に説明する為に言っただけで…ああもう!とにかく、そういう事を…って、な、何!?」
いつの間にかミリスとエミリアがそれぞれロイの右腕と左腕を掴んで、しがみついていた。
「私も行くわよ!町の皆を殺して、私たち家族の生活もめちゃくちゃにしたあいつらを、許しておけないわ!」
「ロザラムが危険に晒されてるんでしょ!?だったら私も行くわ!」
「ち、ちょっと待って!落ち着いて!」
姉妹丼の完成です。これで男の野望が一つ叶いましたね。
「いや、野望って!それルイスの野望だから!そ、そうだ、おい、ルイス、何とかしてくれ!」