すぐに、「はい、どうぞ〜」と、コンビニの袋を手渡され、中には私の好きな銘柄のビールが3缶と、ぬるくならないようにと氷、それとつまみが幾つか入っていた。「どうして好きなビールわかったの?」「あっ、自分の好みで勝手に…好きで良かったよ」こんな事にも運命を感じたりして、嬉しさと楽しさと、二人のこの先への期待とで、ご機嫌に酔っていった。…ん!?、海岸線を走っていると、チラチラと………初雪だ!「初雪だよ〜!!」って、子供みたいにはしゃぐ私を見て、「な〜んか、運命感じるな〜」って笑う、そのシワを見て私も桃色の笑顔。もちろん心の中では、本当に本当に運命かも…って、「男なんていらないしっ!」って、子供と二人たくましく生きて行くんだって、そう思ってきた数年のことは、頭の中から削除されていた。
2時間半ほどのドライブ中には、いろんな話しをしたし、聞いた。お互い×イチで、何年も一人でいる事、離婚の原因やその事についての反省点なんかもあったけど、ほとんどは、学生みたいに好きなタイプとか、こんな異性のこんなとこはイヤ!みたいな話しで、私が酔っていたのもあって、軽く下ネタ混じりで、お互いに聞いたタイプと自分を照らし合わせて、喜んだりがっかりしたり、本当に楽しい時間だった。明日は仕事というのを理由に、「じゃあ、そろそろ…」って、帰り道の数分は、キス…するかな………今日はないかな…でも………して欲しい……いや…しない方が………私からしたら…それはムリだ……でも…………でも…したい……。この年になって、キスで、こんなふうに半パニック状態になるとは…。だから、気が付くと何も話していなくて、もうすぐ到着。……到着。「また行こうな」と言われて、「もちろん」と、答えたか答えないかで、キス……したぁ〜!!しちゃいました。
部屋に戻っても、なかなか眠ることが出来ず、私はきっと、初恋してる子供になっていて、冷静に見極めなければいけない、大人の、母親の恋愛を出来なくなってしまっていたのかも知れない。