朝ご飯終了!!
歯磨き開始!!
洗面台の前に立ち…再度確認する…ぼちぼちな顔。
髪型でも変えて気分転換でもしようか…そんなことで気分が上がるのは10代までだ。
着信音1が聞こえる……歯ブラシを口にくわえたまま…電話にでる。聞こえてきた声は期待していた声ではない…わかってはいるが毎度期待する…聞きたいと思い続ける声の主でありますよーにと。
『悠里♪おはよう。』
『こうちゃん、おはよう…』
あっ、歯磨き粉が口から垂れそう…洗面所に小走りで戻る。
『今日、悠里何時に仕事終わる?俺仕事終わったら悠里のとこ行っていいかなぁ?昨日会えなかったからさぁ…仕事忙しいぃ?』
『うぅ〜ん、多分22時過ぎにはお家に居ると思うよ。悠里もこうちゃんに会いたいから、早く仕事片付けるね。』
『じゃあ、悠里の好きな下手なコンビニシュークリーム買って行くから…100円のやつねっ♪』
『ありがとう。こうちゃん、仕事頑張ってね。はぁ〜い、じゃあね。』
電話を切る。口の中が歯磨き粉の刺激でもう限界!!勢いよく、うがいをする。
こうちゃんとは…私の彼氏。
彼からの毎朝の電話が期待するものではない理由は私が好きなのはこうちゃんではないからだ。
こうちゃん…彼氏…
私の家に泊まりにくる人。
私の好きなシュークリームの種類を知っている人。
私が大人になっても自分の事を悠里と名前で言う事を知っていて、可愛いいから大丈夫だよ。と言ってくれる人。
あとは…なんだろうな…嫌いではない人。
ひどいなぁ…私。
でも、こうちゃんとの関係は良好。問題はない。むしろ人から羨ましがられる…素敵な恋人同士だ。
こうちゃんの顔はこれまた…中の上。ちょっぴり男前顔。
身長183cm。ほどよく筋肉質でぎゅっと抱き締められたら…女の子は嫌いじゃない体つき。
洋服のセンスも悪くない…私の趣味で選んだ物を黙って着てくれるからだけど。
ケチをつける所が特にない彼を好きじゃないのは…頭の中から出ていってくれない…健輔の存在があるからだ。