まず飛び込んできたのは、
雲1つない青空。
冬の冷たい風は
ここには吹いてなくて、
暖かかった。
「…誰?」
ふいに、声をかけられた。
「…あ、私……」
「楠木さん? どうしてここに?」
「えっと…サボり……」
私は苦笑いしながら答えた。
「じゃあ、仲間だね」
そう言ってほほ笑んだ
関口君の笑顔は、
今ここに降りそそぐ
太陽の光より優しかった。
初めて見た関口君の笑顔に
私は動けないでいた。
「そこ…寒くない?」
「…え?」
「ここ、暖かいよ」
そう言って手で
ポンポンとたたいているのは……
関口君の隣。
これは…
隣に座ってもいいよ
って言ってるのかな。
「…楠木さん?」
関口君が見てる。
えーい、座っちゃえ!!!
こんな絶好のチャンス
ないんだから。
私は、関口君の隣に座った。
コンクリートは
太陽に温められてて、
座り心地は最高だった。