「ここ…
お気に入りの場所なんだ」
「暖かいもんね」
「サボる時は、
いつもここに来てるんだよ」
「…えっ……
でも、ここって
普通は生徒立ち入り禁止で
カギがかかってるよね?」
「そうだよ」
当然のように
返事をする関口君。
「じゃあ、どうやって…?」
「…これ」
「なに、これ?」
関口君に渡されたのは、
小さな銀色のカギだった。
「ここの合カギ」
「えっ、どうして持ってるの?」
すると関口君は、
「1年の時にパクって作った」
そう言って、
いたずらっ子のように笑った。
私はそんな関口君に、
ますますハマっていく。
つづく》