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間者からの報告が入った。
「殿。新しい情報が入りました。
グリンガムはライフルを大量に仕入れております。」
グリンガムとは敵の国王の名だ。
「そういえば殿。ある男が会いたいと
言っていますがどうしますか?」
「いいだろう。通せ。」
間者が連れてきた男は、背が高く青い髪の男だった。
目からは不敵な光を放っている。
一瞬、深い海に沈んだのかという
感覚に落としいれられる。
深く、海のような目である。
「私の名は、ペイル・オーリンと申します。」
「わが名は知っての通り、琉天領という名じゃ。
して、どんな用だ?」
「私は、もともとグリンガム王の護衛隊長です。」
「その護衛隊長が寝返るつもりか?わしに。」
「はい。」
水が流れるように答えるので、答えを聞き流すところだった。
「グリンガムは、最近なにやら重兵器を集めているようです。」
「本当か?それならばすぐに、キールに伝えなければな。」
「これで私は、国の機密を漏らしたという事で
裏切った事になります。」
「何故わしにつく?」
「今回の戦争、琉天領様が勝つ予感がしたからです。」
「もしわしが負けたら、どうするつもりだ?」
「その時は、私も共に朽ち果てるでしょう。」
ペイルは、クスッと笑った。
「いい覚悟だ。いいだろう。わしの配下にしてやる。
だが一つ条件がある。それは・・・」