私は……
あんまり小さい頃のことは
覚えてないけど……。
今の関口君の話を聞くと、
関口君に魔法をかけたのは
……私?
それって…
つまり……
「……、楠木さん」
「ん……えっ!?」
「そろそろ授業終わるし…
戻ろっか?」
「あ…うん、そうだね。
ごめんね、
ボーッとしちゃって…」
「謝ることじゃないよ」
そう言って
やわらかく笑う関口君。
よく笑うんだなぁ、
関口君って。
私は関口君に背を向けて、
ドアノブに手をかけた。
その時…
「あっ…
楠木さん!!!!!」
突然、大きな声で呼ばれた。
つづく》