「な、なに?」
「これ、持ってて…」
そう言って、
小さな銀色のカギを渡された。
「これ…
屋上のカギだよね?」
「そうだよ」
「…なんで私に?」
すると関口君は、
急に私に近づいて
耳に口をよせた。
「ひゃっ!?
……なに…?」
すると関口君は、
「また会おう、
ここで…――」
そうささやいた。
…――低く
…――甘く
まるで…
魔法の呪文のように…――
つづく》