ルイスは静かな表情で、言った。
しかし、その声には強い怒りが込められていた。
「ルイス…」
ロイは少し暗い表情になると、一つ小さく頷いて、
「…分かった。でも、無理はするなよ。お前が死んだら、亡くなった両親が悲しむからさ…」
と、呟くように言った。
「ああ、分かってる。こっちだって、死ぬつもりは無いよ」
ルイスは小さく頷いて、真っ直ぐに前を向いた。
「え…と、エリクシオンさん…でいいんだっけ?貴方はどうしてこの事を教えてくれたのですか?」
リリーはその様子を窺いながら、一つ小さく首を傾げると、探るような目でエリクシオンに問いかけた。
ふふ、中々のお嬢さんですね。ロイさん、どうして、私に何かしらの目的があると思ったのか、聞いてみて下さい。
「え?あ、はい。え…と、『どうして私に何かしらの目的があると思ったのですか?』って言ってるんだけど…」
「簡単な事です。相手は二人で、軍人は何百人といるのに、貴方は『軍人では勝つのは無理』と言っている。これが私には納得出来ないんです。だって、魔力には限界があるでしょう?適切な指揮の下、相手を追い詰めれば、勝てない事は無いとは思うのですが…如何ですか?」