北風が冬を告げる
秋が終わるのに、
秋はまだそこにいたくて
季節を譲らない
冬はすぐそこまできていて、僕の季節なんだよ
どいてくれよと秋に言う
わかっているさ、でも…まだここにいたいよ秋は淋しげに言う
ならいてくれていいからと冬は言い去った
秋は、寒さに震えていた
北風はビュービュー吹きながら、秋に言う
淋しいからって秋だけがずっといていいわけないんだよ
お前は冬の気持ち考えないのか?
冬はやっと自分の季節が来たのに、お前に譲ったんだよ
秋はそれを聞いて自分のわがままに気付いた
秋は淋しい気持ちを胸にしまい冬と交代した
やがて冬がやって来た
一度しかない今年の冬がやってきた
人々の心に残るよう、自分らしくいようと思った
冬らしい冬
春と代わるまでは
冬の終わりに、後悔しないように
そう僕は思った