北風と秋、それから僕

キイライ  2008-12-08投稿
閲覧数[332] 良い投票[0] 悪い投票[0]

北風が冬を告げる


秋が終わるのに、

秋はまだそこにいたくて
季節を譲らない


冬はすぐそこまできていて、僕の季節なんだよ

どいてくれよと秋に言う

わかっているさ、でも…まだここにいたいよ秋は淋しげに言う

ならいてくれていいからと冬は言い去った


秋は、寒さに震えていた

北風はビュービュー吹きながら、秋に言う

淋しいからって秋だけがずっといていいわけないんだよ

お前は冬の気持ち考えないのか?

冬はやっと自分の季節が来たのに、お前に譲ったんだよ

秋はそれを聞いて自分のわがままに気付いた

秋は淋しい気持ちを胸にしまい冬と交代した


やがて冬がやって来た

一度しかない今年の冬がやってきた


人々の心に残るよう、自分らしくいようと思った

冬らしい冬

春と代わるまでは


冬の終わりに、後悔しないように


そう僕は思った





投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 キイライ 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ