奈央と出会えたから。<291>

麻呂  2008-12-09投稿
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えっ?!どういうコト?!



不意に発せられたユカのその一言で、



あたしの不安なキモチは益々強まり、



さらに、恐怖心さえも湧いてきた。



『あぁ?!何か言ったかてめぇっっ?!』



それに、



成沢さんの怖気づいた態度に腹を立てていた青山さんを、



今度はユカが、



火に油を注ぐかの様な言葉でキレさせてしまったから。



『先輩。奈央とあたしは犯罪者になるつもりは、ありませんから。』



犯罪者?!



な‥なんで犯罪者なの?!



さっきから“クサ”とか“観葉植物”とか。



あ〜〜っっもうっっ!!



一体何が何で、



どぉ〜なってるの???



分かんないよっっ!!



凛とした瞳で、青山さんと真っ直ぐ向き合っているユカは、落ち着いていた。



ユカったら。



何で、そんなに落ち着いていられるのよっっ?!



あたしは、もう‥怖くて、さっきから足が震えてるよ。



『‥‥ふぅん。分かったわ。

あたしが、せっかく選択肢を与えて、返事をここまで待ってあげたのに‥‥。

バカだよねぇ‥‥あんた達‥‥‥。』



青山さんは、呆れた様な表情をしながらそう言いかけ、



今度は、ユカに向けられていた視線を、あたしの方に向けたんだ。



『木下さん。まずは、てめぇからだ。

あたしの忠告を聞かないで、無視し続けたコトへの制裁は受けてもらうよっっ。
手ェ出しなっっ!!』



青山さんは、あたしの手首を掴んだかと思うと、



制服の袖を乱暴に捲り上げた。



成沢さんは、青山さんが、キレかかっている状態を見て、



さっきの勢いは、どこへいったのか、



すっかり大人しくなってしまっていて、


ただの傍観者の様に立ち尽くしているだけだった。



『聖人先輩の様な凄い男に惚れられるほどの魅力が、てめぇのどこにあるってんだぁ?!

ただのザコのクセに生意気なんだよっっ!!

おらっっ!!てめぇがどの位気合い入ってんのか見せてみろよ?!』



振りかざされた手の先に煙草が見えた。


い‥いや‥‥やめて‥‥‥。



ま‥聖人‥‥た‥助けてっっ‥‥‥。



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