えっ?!どういうコト?!
不意に発せられたユカのその一言で、
あたしの不安なキモチは益々強まり、
さらに、恐怖心さえも湧いてきた。
『あぁ?!何か言ったかてめぇっっ?!』
それに、
成沢さんの怖気づいた態度に腹を立てていた青山さんを、
今度はユカが、
火に油を注ぐかの様な言葉でキレさせてしまったから。
『先輩。奈央とあたしは犯罪者になるつもりは、ありませんから。』
犯罪者?!
な‥なんで犯罪者なの?!
さっきから“クサ”とか“観葉植物”とか。
あ〜〜っっもうっっ!!
一体何が何で、
どぉ〜なってるの???
分かんないよっっ!!
凛とした瞳で、青山さんと真っ直ぐ向き合っているユカは、落ち着いていた。
ユカったら。
何で、そんなに落ち着いていられるのよっっ?!
あたしは、もう‥怖くて、さっきから足が震えてるよ。
『‥‥ふぅん。分かったわ。
あたしが、せっかく選択肢を与えて、返事をここまで待ってあげたのに‥‥。
バカだよねぇ‥‥あんた達‥‥‥。』
青山さんは、呆れた様な表情をしながらそう言いかけ、
今度は、ユカに向けられていた視線を、あたしの方に向けたんだ。
『木下さん。まずは、てめぇからだ。
あたしの忠告を聞かないで、無視し続けたコトへの制裁は受けてもらうよっっ。
手ェ出しなっっ!!』
青山さんは、あたしの手首を掴んだかと思うと、
制服の袖を乱暴に捲り上げた。
成沢さんは、青山さんが、キレかかっている状態を見て、
さっきの勢いは、どこへいったのか、
すっかり大人しくなってしまっていて、
ただの傍観者の様に立ち尽くしているだけだった。
『聖人先輩の様な凄い男に惚れられるほどの魅力が、てめぇのどこにあるってんだぁ?!
ただのザコのクセに生意気なんだよっっ!!
おらっっ!!てめぇがどの位気合い入ってんのか見せてみろよ?!』
振りかざされた手の先に煙草が見えた。
い‥いや‥‥やめて‥‥‥。
ま‥聖人‥‥た‥助けてっっ‥‥‥。