佑典が企業舎弟だとゆう事。
佑典には身内が居ないとゆう事。
私と出会い企業舎弟をやめたいと思っている事。
高原からの帰り、車の中で佑典が言った。
『俺初めてチャットしたあの日…生きてくの疲れた思っててん。』
驚いて佑典を見た。
佑典は穏やかな表情で私を見た。
『ホンマ久しぶり笑って面白い子やな、この子と会いたい、会わなあかん思ってん。』
その時佑典の携帯が鳴った。
佑典の顔が一瞬曇った。
凄く嫌な胸騒ぎがした。
佑典が電話に出た。
佑典は丁寧に、そして淡々と会話をしてた。
佑典の会話から相手は佑典の会社を運営しているヤクザの偉い人だと思った。
『すいません、やっぱり自分には出来ない事です。この仕事から下りよう思ってます。』
その時だった。
脅すような大きい声で佑典に怒鳴る相手の声が携帯から漏れた。
『お前、自分が言うてる意味わかってんのかコラ!今どこや?すぐワシんとこ来い!』
『今日は行けません。私用で京都離れてます。明日伺います。』
佑典は変わらず淡々とした口調で相手の怒鳴り声に萎縮する事なく話した。
『飛んだら承知せんで…佑。明日必ず来い』
電話は切られた。
佑典は私に
『ごめん、驚かせて。さぁ帰ろう。』
そう言うと私の手を握った。
その手は冷たくて、冷たくて…どうしようもない悲しみに溢れていた。