もしも、願いが叶うなら…。
私は、何を願うだろう。
「愛音。…よく来てくれたね」
今にも消えてしまいそうな声。一瞬、誰だか分からなくなる。
1ヶ月前に見た彼は、こんなんじゃなかった。
「大輝…」
彼は私の恋人。付き合って3年。私は短大を卒業し、もうそろそろ結婚するのかなって考えたりした。
いつも笑顔で、明るくて、中学からバスケをしてたらしくて、その腕も確か。
そんな彼が私は本当に好きだった。今も、もちろん好きなのだけど。
「どうしたの? 座りなよ」