紹介状を貰った父は、一度、純と京子を車に乗せて家に戻った。
母は心配な心持ちで三人を迎えた。
父が先程、病院で医師から言われたことを母に告げた。
「そんな!」母は驚きを隠せなかった。純が心配でたまらなかった。
ふと波が込み上げてきた。
「いまは医者の言う通り専門家に任せるしかないだろう」父が宥める口調で言う。
でもと、母は溢れる波が止まらない。純がこれから一体どうなるのか未知の世界である。
母はこんな純真無垢な息子がどうして、こんなことになってしまったのか不思議でとてもいたたまれない気持ちだった。