「最後に言えなかったから、ずっと気になってた」 「ありがとう。…ごめんね」 細い腕が私の頬に触れる。あなたの手はこんなに温かいのね。 「愛音…。寂しかっただろう。ずっと、会えなくて」 私は首を横に振った。寂しくないよって笑おうとしたけど、涙が溢れて出来なかった。 大輝は笑った。この人は私の考えなんて全てお見通しなのだ。 「気付いたら、このベッドの上で。本当にごめんね」1ヶ月前、この病院に運ばれた彼は交通事故に遭い、重傷だった。目が覚めたのは、それから1週間後。
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