たまに休みが重なった時でも、私達は別々の事をした。
彼は彼で友達と遊びに出掛けたり、パチンコへ出掛ける。
私は私で普段出来ない家事をしたり、ショッピングへ出掛ける。
寂しいと感じはしなかった。むしろ好き勝手に時間を過せるし、楽だと思っていた。
それでも、たまにテレビでデートスポット何かの特集をやっていると「いいなぁ」何て思うもので、私は恥かしいのを隠す為にわざとこう言う。
「誰かこんな所連れてってくれないかな〜。」
するとチャンネルを変えながら彼はこう言う。
「俺はパス。こんな人込み疲れるだけだし。友達誘って行ってくれば?」
分っていた。
私達は根本的な価値観に違いがあるし、人込みが駄目なのも知っている。
けれど社交辞令でもいいから違う言葉が出るのを少し期待していた。
そうだった。
私はいつも一人で期待してそして落込む。
誕生日、クリスマス、大晦日、バレンタイン、記念日。
ここ数年、世間のカップルが大抵は一緒に過すイベント事の日、私達は別々に過ごしてきた。
別にプレゼント何て望んでない。ベッタリくっついていたい訳でもない。でも私は一緒に過ごしたかったのだろう。
一人で期待して、それで落込む。
去年のクリスマスなんて、張り切って作ったケーキが無駄になった。
材料費2500円。
彼は友達と遊び惚け、帰って来たのは次の日の昼だった。
私は帰ってこない彼をケーキと共に待つも、0時を回る頃に怒りの勢いでワンホール貪り食った。
途中で胸焼けに襲われても、私には2500円捨てる勇気は無かった。
束縛はしない。寂しい何て軟弱な事も言わない。嫉妬や疑う事もしない。私は一人で平気。
いつから私はこんなに強くなったのだろう。