８年間彼と付き合って来た中で、彼意外の人と関係を持ったのは２回。
１回はバレて、あと１回はバレていない。
それは夏だった。
夏の暑さに浮かれていた訳ではないし、浮気する気も無かった。
相手は彼よりも３つ年上で、考え方もちょっとした仕草も気遣いも大人だった。
彼氏がいる事を承知の上で、私と友達になりたいと志願して来たのだ。その時の彼は下心何てこれっぽっちも見えなくて、何て真っ白な人なんだと感動すら覚えた。
暫くの間は、彼氏の目をぬってはメールと電話で連絡を取り合った。他愛もない話しから、恋愛相談。何の話しだって彼は律義にアドバイスをしてくれた。真剣に話しを聞いてくれた。
それから、彼氏の目をぬっては何度か食事に出掛けた。彼氏とは行った事もないようなお洒落なお店。彼はそんなお店へ沢山連れて行ってくれた。
彼氏とは何もかも違う。
こんな人と一緒になれる人はどんなに幸せなんだろう…。
そう思った時に、彼にキスをされた。久しぶりの事に胸が張裂ける程高鳴った。もう私は彼が好きで、彼も私を好きだと言ったから止められなかった。
彼氏の目をぬっては彼と会う。私はいつしか２人を天秤にかけていた。明らかに浮気相手の方がいい。
でもあの日、彼に「彼氏と別れてくれ」と言われた時に何だか面倒臭くなった。
それで、浮気がバレないようにしてきた事も億劫になって適当になって、浮気がバレた。
結局、私は浮気何て面倒臭い事には向いていないんだ。
そして、どんなに素敵に見える人でも時が経てば次第に輝きは褪せていくんだって事を思い出した。
だって彼氏だって、出会った頃は最高に素敵に見えていたんだ。
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