・・『出会い』・・・・・人は皆、大小様々な秘密を持っている。
人には言えない恥ずかしい事、なんとなく、言い辛くなって隠している事、様々な理由があるだろうけれど、私が今も、この先も、秘密にしていく事は、ずっとずっと、永遠の宝物であってほしい、アイツとの、出会い・・・。
私の名前は、幸代。
今はＯＬをしている24歳。この話は、私が小学生の頃にさかのぼる。
当時、父の転勤で、転校を繰り返していた私は、だんだん、大切な友達を作るのを諦めていた。
小学校だけで３校目。
それなりに目立たない様にやってきたのに、 『生意気だ！』と言われ、始めは必ず陰険なイジメにあった。
そのおかげか、すっかり冷めた目で、距離をおいて人を見る事を覚えた私は、小学生のくせに、完全に八方美人にもなっていた。
３校目の転校は、五年生の始め。
いつもの様に、全校集会の朝礼で名前を呼ばれ、何処の学校から来た誰なのかを言い、挨拶させられ、一礼して、終わる毎度のパターンで、やり終えてみせた。
私が、挨拶も終わり、壇上から全校生徒をみた時だった。一人の男子生徒だけが、周りがざわついている中、真っ直ぐな眼差しで、こっちをずーっと、見ていた。
アイツとの出会いは、そんな些細なところから始まった・・・。
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