カオス オブ ディアボロス 〜癒しの星〜?

リョック  2005-11-12投稿
閲覧数[456] 良い投票[0] 悪い投票[0]

第2章
聖者の微笑み

大地が何か言った。
声ではない。言葉でもない。
しかし、プリスの心には感じ取れた。
壊さないでくれ。
そう言っているようだった。
プリスは、この痩せた土を見ていた。
「プリスさん。」
後ろから不意に、少年に声をかけられたので驚いた。
「また、こんなところで土を見ているんだね。
また、あの呪文をかけてやるの?」
「ええ、そうよ。土は、地の精霊様が私達にくださった
大切な、命なのだから。」
プリスがそう言うと、少年は軽くうなずいたように見えた。
「でも、プリスさん。ちゃんと、食べた後の食器は洗わなくちゃ。
プリスさんは本当に、うっかりした人だなぁ。」
「ごめんなさいね。すっかり忘れてたわ。
すぐ洗わなくちゃ。」
「いいですよ。プリスさんはもう教会に戻ってください。
食器は洗っておきますから。」
「いつも悪いわね。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな。」
「じゃあ、洗っておきますので。」
プリスは、あっそうだ、とまた戻っていった。
「土に、呪文をかけておくの忘れていたわ。
ちょっと、下がっててくれる?」
プリスは目をつぶり、祈り始めた。
精霊へのお礼と、これからの平和に。
そして、指の先に温かい光が集まった。
プリスはその光を、大地に向って放った。
「レストラッション!」
土は数秒、光に照らされた。
土はまた豊かになった。
ありがとう。
プリスにはその、言葉を感じ取り
ニコッと地面に向って笑った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 リョック 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ