「どうしてわかってくれないんだよ。俺は、こーのこと必要としてるし、大切にしたい!!」
この一言が俺の秘密を打ち明ける勇気をくれた。
「……」
俺は、それでも言おうか、言うまいかかなり悩んだ。
俺の秘密をあいつが、知ってしまったら、あいつは壊れてしまうかもしれない。
そんなことを俺は、望まない。
俺もあいつのこと大切に想っている。
「……」
あいつは、ひたすら、泣いている。
年上のくせにひたすら泣いている。
「……」
それでも、俺があいつにこの事を伝えるには時間がかかった。
言えなかった。
あいつを信用してないわけではない。
この秘密をあいつは誰にも言わないことはすぐに俺にもわかった。
が、俺にはなかなか、切り出せなかった。
「どうして、俺になにも言わないの?」
俺は、言わないのではない。言えなかった。
そう、俺は、HIVに感染しているゲイだ。
だか、このことは、なかなか相方のよーには伝えられなかった…。
よーは、まだ、泣いている。
俺は、よーを泣かしたくなかった。
よーには笑っていてほしかった。
だから、このことん話すのに時間がかかった。
しかし、あまりに、よーが真剣な目付きで俺を見ているのを感じ、とうとう、俺も話そうと思った。
「これから、俺が話すことをよーはちゃんと聴いてくれる?俺の最も誰にも知られたくないことを俺は、これから、話そうと思う。でも、それを受け入れられなかったら、俺は、この場から、すぐにきえる。そして、二度と逢わないつもりだ。」
よーにこのことを告げると、よーは、頷いた。
よーは、泣き止み俺の話を聞いていた。
「俺は、うちらの業界で怯えてるHIVに感染してる。俺は、感染経路もすべてわかってる。俺には幸せになる権利なんてないって思ってた。でも、幸せをやっと見つけた。愛する人をやっと見つけた。…」
「やっと愛する人を見つけた……。」
よーは、また、泣き出した。
俺にハグされながら泣いていた。
大の大人がヒックヒックと泣いていた。
「どうして、こーがこんな目に会わなきゃいけないんだよー。こーは、こーは…」
よーもこれ以上は言葉にならないみたいだった。
これからが、俺たちの本当の愛が始まったのかもしれない。