奈央と出会えたから。<293>

麻呂  2008-12-12投稿
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そ‥そんな筈‥‥ないよね?!



あたしってば、ヤバイかも‥‥‥。



遂にミズホさんの幻まで見えてきちゃった。



『や‥山下先輩っっ!!お、お久しぶりですっっ!!』



背後から腕を鷲掴みにされたまま、



青山さんが、しどろもどろにミズホさんに挨拶をした。



『“お久しぶり”じゃねぇよっっ!!

青山てめぇ、あたしのダチに何しやがるんだよっっ?!』



ギリギリギリギリ――



背後から掴まれた青山さんの腕には、



更に力が加えられた。



『い、痛っ‥‥痛たっっ‥‥‥。

す‥‥済みませんっっ!!

山下先輩ごめんなさいっっ!!

まさか、木下さんが、山下先輩のお知り合いだとは知らなかったものでっっ!!』



青山さんの、



さっきまでの威勢の良さは、



まるで嘘の様で――


目に涙を浮かべて、怯えている姿からは、



誰が“番長”だと想像出来ただろうか――



『今度、あたしのダチに少しでも手ェ出して見ろ?!

こんな甘いモンじゃ済まないよ?!

分かったな?!青山?!』



ドカッッ――



ミズホさんに掴まれた腕は、



勢い良く振り下ろされ、



背中を足で蹴り上げられた青山さんは、


そのまま、ふらふらと床に崩れ落ちた。


成沢さんは、



その、あまりにも情けない番長の姿を、


ただ、だまって見ているコトしか出来ないでいた。



そして、



あたしとユカも。





『“成沢”っていったね?!

噂には聞いてるよ。
あんたが転校生だってコトも、

“クサ”の栽培の話を、この情けない番長に持ち掛けたってコトもね。』



『‥‥‥‥‥。』



『バックに誰がいるのか知らねぇケド、
あたしのダチを巻き込むのだけは、やめてくれ。

あたしが番長だったトキなら、こんなコト許さねぇ所だケド、

あたしはもう卒業しちまった身分だから、細かいコトは言うつもりはねぇ。

あんた達が“カンベツ”や“ネンショ”に入ろうが、あたしには関係ないコトだからね?!』



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