満開の桜の下、期待と不安を胸に真新しい学生服に身を包み川崎祐太郎の高校生活が始まった。身長は190cmに届きそうな大柄な体を遠慮がちに前屈みにしながら恥ずかしそうに登校している。この物語は祐太郎の成長と共に進んでいく。『清心学園入学式』と書かれた看板の横を通りすぎる通りすぎると祐太郎は空を見つめて深呼吸をして呟いた「頑張るぞ」快晴の空が微笑み返した。祐太郎は1年D組の教室へと入って行った。ここで、祐太郎の家族について、父は脱サラの自営業者、母は公務員、2歳上に姉が一人の4人家族である。姉はラグビーの名門『津田山高校』の女子マネ。ちなみに、祐太郎は運動音痴、そんな祐太郎を姉は常々見下していた。祐太郎は体も大きくパッと見は、強面だが、実はやさしい性格な反面、怠け者、取り柄のない子供であった。
教室の中は当然知らない子ばかり、だが、体の大きな祐太郎はどうみてもおどおどしているようには見えなかった。すると、後方から揉めているような声がした。『格好つけてんなよ』とスポーツ刈の山下大地、相手はスラッとした挑発の美少年名前は西城博士『野蛮人は直ぐに暴力に頼る、困ったものだ』すると、大地は西城に体当たりをするような勢いで飛んできた。西城は難なく体を交した。勢い余った大地は、祐太郎の背中に飛んでいった。びっくりした祐太郎は、とっさに立ち上がって振り返ると大地もびっくり、そんな時に担任の先生が入ってきた。教室は一瞬にして静まり返り、教壇に視線が集中した。『おはよう。僕がこのクラスの担任の河野武です。よろしく。』いよいよ、祐太郎の高校生活の始まりだ。
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