成沢さんは、
だまって俯きながらミズホさんの話を聞いていた。
そして、
青山さんは、ゆっくり立ち上がり、
ミズホさんの方に向き直った。
『あ‥あの‥‥ミズホ先輩。
“クサ”の話は、もしかして龍二の耳に入ってます‥‥?!』
『あぁ。もちろん。
京谷には事の一部始終を報告させてもらったわよ。
“魔羅威夜”の京谷龍二が、ドラッグ嫌いだってのは有名な話だから、
あたしも、もちろん知ってたケド、
別に問題ないだろ?!
あんたは、京谷と付き合っていながら、
奈央のカレシの聖人に目付けてんだからさ。
あたしは、取りあえず京谷をキープしておいて、
更に、人のモノを盗ろうとするてめぇのその根性が気に入らねぇ。
青山。規定どおり、てめぇには“番長”を下りてもらうよ。
今日からこの学校に“番長”はナシと言うコトだ。
分かったな?!』