リリーは苦い顔をしながら、首を横に振った。
「答えは分かってるけど…ロイ、エリクシオンの返答を聞かせて」
「…」
ロイはぎゅっと唇を噛み締めながら、エリクシオンからの返答を包み隠さずリリーに話した。
「ち、ちょっと待って！それって、単にロイを実験体に使うようなものじゃない！」
横でその話しを聞いていたミリスは、思わず声を上げた。
「そうですよ。この話を私達に持ちかけたのは、才能開花の一点だけです。…つまり、彼等と遺恨がある私達を動かす事で、ロイをその場所に行かざるを得ない状況を作ったのです」
「作った？でも、まだ私達はここにいるわよ？」
「なら、この話を聞いて、『行かない』という選択肢を取れますか？」
「う…」
リリーの鋭い質問に、ミリスは返答に詰まった。
「そんな話はどうでもいいよ」
ルイスは少し苛々したような表情で、首を横に振った。
「あいつらに一撃でも加えてやらないと、俺の気が収まらない。俺は行くぜ」
「私もよ。こんな話を聞いてロザラムを救いに行かないなんて選択肢、私には無いわ」
エミリアは強い口調で言って、ぎゅっ唇を噛み締めた。
リリーはそれを聞いて一つ小さく息を吐くと、鋭い眼差しを天井に向けた。
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