judge 不穏の町四

FANG  2008-12-12投稿
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壱章その四「朱色の火花」
フォードという少年は大きなバッグを抱えたまま、うずくまっていた。
「誰?何しに来たの?」 僕はあまり警戒させず、ゆっくり近づき、話した
「僕はレントレー、記者をやっている、よろしく。」 フォードは僕を睨んでいる
「記者が僕に何の用なの?」 急にバッグを降ろし、金属物を取り出した 「そんなぁ、別に君を捕まえに来た訳じゃあ……。」 フォードは噴水の淵から消えた ガキィン!という音をたてながら、僕の手にあるナイフが火花を散らせた
速い!
戦闘は覚悟していた
僕は一応戦闘訓練を受けている ある程度なら戦える
どうやらフォードが持っていたのはレンチだった 40センチぐらいの大型レンチ
一体何処から取って来たんだ? 錆もなく、かなり綺麗なレンチ 新品なのか?

後ろに跳び退き、ナイフを構え直した じりじりとレンチを握りながら近づくフォードに集中した 一撃防げば勝てる!
そう、一撃だけカスってもいいから、ダメージを受けるのは回避したい。
ただ、相手はまだ子供だ、いくら相手が先にしかけたとはいえ、ナイフで斬るのは駄目だ。

左から空を切る音がした、僕は咄嗟にナイフを左に構えていた
キィン! ガィン!
鈍い音が耳に響く
素手で反撃をするものの、バク宙をしたり、側転したり、フォードはアクロバティックな動きをして回避する
噴水の淵まで追い詰められてしまった が、僕は噴水の水をナイフで切り、フォードの目に水の粒を飛ばした。
水は見事に命中、目を急いで拭くフォードの脳天に掌打をした。
気絶すればいい
ただ、何にしても子供なのにこんな動きをするのは変だ 一撃かわして、反撃で気絶させるつもりだったのに、随分手間がかかった。
ジョイント式ナイフもいつまでもつか、解らなかった。
「ん?背中に……」 背中に何かが付いていた
ただの機械か?いや、これは、何か特別な装置 ウッスラと 『KILL』と書いてあった
ランプが消えてるかと思うと、朱い光がランプから発光する

フォードは起き上がる
いや、もはや体が動かしていない

心で動かしている、そう、何か強力な力で



続く

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